小坂まさ代2024年第2回定例会一般質問 ~②教育相談について~

2.教育相談について

小坂
1)今年度の相談支援体制について
相談員の方がほとんど入れ替わった。引継ぎについてもどのように行われたのか。
○教育長
相談員は、6月1日現在で相談員、主任相談員、そして教育支援担当係長、合わせて10名。心理と言語の相談員各1名ずつを今後募集する予定。
教育相談についての引継ぎについては、教育支援担当係長と昨年度から継続して任用している心理職の時間額会計年度任用職員が、一人一人の相談状況について確実に行ってきた。
小坂
引継ぎに関しては、件数からしてかなり大変な作業ではなかったかと想像している。昨年の第2回定例会の一般質問では、教育相談室へ寄せられる相談件数は年々増加している状況、令和5年度から特別支援教育担当係長を配置するなど、本市の教育相談や就学相談等の効果的・効率的な運営について整理と分析を行いながら、改善に向け取組を始めたという答弁があった。改善策の一つとして相談申込みのオンライン化が本年4月より始まったが受付状況について伺う。
○教育長
昨年度までは相談の申込みは電話で受け付けていたが、今年度から電子受付を開始。これまで市民は教育相談室の開室時間に電話で相談の申込みを行っていたが、電子受付ということで都合のよい時間に申込みができるようになった。午後10時に申込みをされる方もいる。また、これに伴い、昨年度まで電話での受付対応を行っていた相談員も、その時間を相談業務に充てるといったこともできるようになった。
小坂
昨年来改善策が進む中、相談員、月額6名、時間額2名の方が昨年度末で退職された。全員が個人的な事情で、たまたま同時期の退職になってしまったということだが、多くの相談者に大きな動揺や不安が広がった。今後同様のことが起きないよう、相談員を正規職員にするなどの対応が必要なのではないか。また、相談するかどうか悩み、ようやく決心し、思い切って連絡を取ってみたら相談まで3か月待たされた、子どもの状態も変わってしまったという声も複数の保護者の方からこちらに寄せられている。今、困っている、悩んでいる子どもや保護者にできるだけ早く対応してほしい、同じ担当者の方に継続して相談に乗っていただきたいという声が寄せられている。相談員の人数や体制について考えられることはないか。
○教育長
私どももニーズに応じた相談を実施したいと考えているところ。そのためにも、電子化を開始した。また、併せて新たに教育相談室に事務を担当する職員を配置、電話等についても対応できるようにした。様々な改善をする中で、まずは効率的・効果的な運営体制を整えて現体制で対応していきたいと考える。
小坂
不安な思いでいる子どもたちや保護者を放っておくことなく、どうしたらできるだけ待たせない、状態を悪化させない相談体制が確立できるのか、引き続き検討を。

続いて、

2)児童・生徒の視点からの教育相談の在り方について。
様々な悩みを抱える児童・生徒一人一人に対してきめ細かく対応するためには、多様な専門家の支援による相談体制をつくっていく必要があると考える。現在の本市の教育相談において、心理の専門家のみならず、医療、福祉などの専門家に相談できる体制はあるか。また、教育相談に保護者ではなく子どもが直接相談できるのか。
○教育長
教育相談室には心理を専門とする教育相談員だけではなく、福祉的な対応を行うスクールソーシャルワーカーを配置。また、就学相談では小児精神科医も配置している。さらに学校には学校医も配置しており、様々な相談の対応を行っている。ただ、しかし、教育相談室だけで全ての体制を整えるということは難しい。相談者の必要に応じ、市長部局、あるいは関係諸機関とも連携しながら医療や福祉等につなげている。また、毎年、年度初めには小・中学校の新入生を対象に教育相談室の電話番号を付した相談カードを配付し、必要に応じて児童・生徒が直接相談できる仕組みも整えているが今のところ相談は非常に少ない状況。
小坂
子どもたちにとっては、そうしたカードが、実際に使わなくても、お守りのような役割を果たすのではないか。関係部署とさらなる連携を求める。
「特別な支援を必要とする子どもや、また学業や友達関係、進路など様々な不安や悩みを抱えている子どもや、保護者が安心して相談できる体制となるように、学校や関係機関と連携しながら教育相談体制の強化に努めていく」、これは昨年も御答弁いただきました。ぜひ、重ねてになるが、子どもが安心して相談できる仕組みをしっかりと当事者の声を聴き、学校と対話し、構築するよう要望する。
続いて、進学時など、学校間の切れ目のない相談体制について。また、他部署との連携についてどう工夫しているのか、こどもの発達センターつくしんぼとの連携や情報共有についても、具体的にどうされているのか。
○教育長
学校間を越えた切れ目のない支援について、これまでも様々な工夫をしてきた。例えば園と小学校の連携ということについては、園児が小学校の様子を見る校庭散歩、あるいは園児が学校を訪問して小学生と交流する学校訪問を行ってきた。また、就学を契機として、園と小学校の間で園児についての情報共有を行うということも実施している。さらに小学校と中学校の連携として、本市の特色として長年にわたり小中連携教育というものを推進してきた。中学校ブロックごとに授業公開や研究協議会を開催、その中で授業の様子を見て、児童・生徒の実態に基づき様々な協議を行っていくということ、また併せて情報共有を行っていくということを進めてきた。小学校から中学校に上がる段階においても、小・中学校間で児童についての情報共有を行っている。高校への接続は、必要に応じ中学校から生徒の進学先の学校に連絡して情報共有するといったことも進めている。こどもの発達センターつくしんぼと教育委員会においては、定期的な情報交換を実施するとともに、就学相談に係る内容については担当者同士が情報共有し、児童・生徒を継続して支援できる体制を整えているところ。また、就学においては教員とつくしんぼの担当者が直接情報共有して、継続的な支援につなげている状況。

小坂
情報共有がされていないことで支援からこぼれ落ちてしまう、また支援が滞ってしまうことのないよう、引き続き丁寧な連携を。

3)就学相談について
本市では、心身の発達に不安があるお子さんの就学に関する悩み事や心配事をはじめ特別支援教室への入室、特別支援学級、特別支援学校への転入学などの就学相談を行っている。件数は令和2年度が127件、令和3年度が146件、令和4年度が127件。令和5年度の件数について問う。また、就学相談特別支援教育説明会の参加者数について令和4年は約90名、令和5年は約100名。令和6年は2月と4月に既に行われたが、2月にも開催した理由と参加者数について伺う。
○教育長
令和5年度の就学相談の件数149件、今年度の特別支援教育説明会の参加者数は、2回合計で114名。令和5年度までは就学相談の申込み期限を9月末としていたが、9月以降から年末にかけ就学相談に関わる業務が急激に増加する傾向があり、その期間も教育相談に対応することができるよう令和6年度は申込みの期限を2か月前倒しし7月末とした。そのために、説明会も例年より2か月早く2月に設定。ただ、説明会については毎年4月に行っていたという経緯もあり、例年どおり4月にも設定し2回開催した。
小坂
相談件数、説明会参加者数とも前年を上回っていることが確認された。年末に向けて相談件数が増えるということで2か月前倒しされたということだが、必要ならば相談員のさらなる拡充、効果的・効率的な運営をするために現在混在している相談内容を整理し、転入学に関する就学相談と不登校などそのほかの教育に関する相談とに担当相談員を分けることなども検討を。昨年、改善の提案をした説明会の資料について。今年度の修正点について伺う。
○教育長
今年度の特別支援教育説明会での配付資料については、以前も議員から指摘されたように見る方に伝わりやすく、分かりやすい資料となるように改善を図った。リーフレットには温かみのあるイラストを使用するとともに、保護者に対し、就学先決定まで伴走することが理解できるような文言を入れた。参加した保護者からは説明会後に「情報が精査されていて分かりやすかった」との声が届いている。
小坂
当日お仕事などで参加できず、資料のみという保護者の方もいる。より分かりやすい、また入学が楽しみに思えるような視点での見直しを、今後もお願いする。「就学相談において相談の基本は共感と受容が重要であり、本市の相談員も、また各学校の教員も日々心がけている」と、昨年、教育長は答弁された。こちらには、その思いが届かず、つらい思いをされて進学先を決めざるを得なかった方からの声が届いている。改めて教育委員会、学校の全教員、教職員の方に、保護者や児童・生徒に寄り添った対応を要望する。最後に一言。
○教育長
なかなか私の思いが伝わっておらず、申し訳ないと思うが、校長会、副校長会などを通じて、繰り返し全ての相談について「共感と受容」を基本として一人一人丁寧に進めるようにと、このことについては繰り返し伝えている。しかし、特に就学相談におきましては医療や特別支援教育等の専門家から意見を伺う中で、保護者の考えとは異なる内容を伝える場面もある。また、合理的配慮を行ってもなかなか対応が難しいというような状況もあるなど様々な状況、事例がある。そのような中で、できるだけ寄り添いつつというところで進めている。
ただ、そのほかにも、教員の中には経験不足あるいは育成途上といった者もいるため、それぞれの職場で指導や学び合いを進める中で、しっかりと保護者そして当事者に寄り添うという心を育てていきたいなと思っている。引き続き校長会等を通して周知徹底を図っていきたい。
小坂
第2次教育ビジョンの「悩みを持った子どもや保護者が相談しやすい体制が整っています」との目標に近づけることを心より期待している。