小坂まさ代2024年第3回定例会一般質問 小坂まさ代2024年第3回定例会一般質問 1.子どもたちに豊かな放課後を~学童保育所について、ランドセル来館事業について
①子どもたちに豊かな放課後を
○小坂
社会の状況の変化により、近年、子どもの放課後を取り巻く状況も大きく変化をしている。子どもの数や兄弟の数の減少、共働き家庭の増加、就労形態の多様化、家庭の孤立化、ひとり親家庭の増加や子どもの貧困の社会問題化、また、自由に遊べる場所や遊ぶ時間の縮小、自然や生き物などと直接関わる生きた体験の不足、地域との関わりの減少や、多くの子どもが習い事や学習塾に通っていることなど、放課後の時間の過ごし方が変わっただけではなく、こんな放課後を過ごしたいというニーズも変化し、多様化してきている。
(1)学童保育所について
2019年度から、国は新・放課後子ども総合プランとして、共働き家庭等の小1の壁を打破するとともに、全ての児童が放課後を安心・安全に過ごし、多様な体験や活動を行うことができるよう、総合的な放課後対策事業を行うとした。
具体的な目標として、2023年度末までに全ての小学校区での厚生労働省管轄の放課後児童クラブ(学童保育所)と文部科学省の放課後子ども教室(放課後子どもプラン)、こちらの両事業の実施と、小学校内でのこれらの一体型の1万箇所以上での実施などが示された。しかし、2023年5月1日時点での放課後児童クラブの実施状況調査では、放課後子ども教室との一体型は5,652か所にとどまり、その後、所管のこども家庭庁と文部科学省は、総合的な放課後児童対策パッケージを取りまとめ、本年3月、「令和6年度以降の放課後児童対策について」という通知を出し、施策の推進について示している。
また、昨年12月に閣議決定されたこども未来戦略において、早期に学童保育所の受皿を152万人分まで拡大するとしており、今年度396億円の予算を計上している。
国分寺市における学童保育所について見てみると、平成23年度、公設16か所、定員700人のところ、在籍者数は709人だったが、令和6年度4月1日時点で公設22か所、民設12か所、定員1,419名、在籍者数は1,888名になっている。全入としているため、待機児童こそいないが、学童保育所の狭隘状況は、保育園の待機児童対策とともに課題となっている。これまで保護者の側からの預けたいニーズにより語られることの多かった学童保育所について、子どもの声をどのように聞いているのか、現状について伺う。
○子ども家庭部長
公設学童保育所においては、毎年度10月から11月頃を目安として学童保育所の利用者アンケートを実施し、結果をホームページ等で公表している。アンケートは保護者と利用児童で話し合って回答することを前提とした内容となっており、子どもの声が反映される仕組みとなっている。また、いただいた意見、要望について回答を作成し、主なものについて、保護者会やお便りなどで回答を伝えている。
○小坂
アンケート結果を確認したが、子どもの様子に関する質問はあるものの、保護者側の目線の回答であると感じた。今後は、こども基本法にのっとり、子どもの意見聴取についても実施するよう求める。
(2)ランドセル来館事業について
○小坂
学童保育所の狭隘状況の解消のため、昨年度から児童館で、学校から帰宅せず、ランドセルのまま直接来館できるランドセル来館事業がはじまった。保護者の就労や介護など、家庭での保育が困難な市内在住の小学1年生から3年生まで利用ができる事業。1年が経過し、現状と来年度に向けた取組について伺う。
○子ども家庭部長
ランドセル来館事業は、市内6つの児童館のうち3つの児童館において実施。令和6年8月現在で8名の児童が利用している。さらなる利用者の拡大を目指して、今年度11月より全ての児童館にてランドセル来館を開始する。加えて、利用の要件について、現状、学童保育所の通年利用要件を満たす場合のみの利用可能となっているところ、三季休業中の利用の要件にまで拡大することで、保護者の勤務が早い時間に終わるために学童を通年利用できない児童にもランドセル来館を利用できるよう変更を行っていく予定。
○小坂
先日、子ども・子育て会議や子ども家庭支援センター運営協議会の傍聴に伺った。子育て当事者の市民公募の委員の方たちからは、学童保育がなくなる4年生以降の過ごし方について、不安の声や要望が多数寄せられていた。現在のところ3年生までの受入れとなっているが、今後の経過を見て、4年生以上も検討を。
○子ども家庭部長
まずは低学年の受入れを優先することになるが、利用要件を拡大しても、なお定員に空きがある場合には、高学年の受入れについて、試行的・段階的に開始することで、高学年の放課後の居場所の選択肢のひとつとすることができるよう、今後、検討を進めていく。