小坂まさ代2025年第4回定例会一般質問~1.学校に通えていない子どもと家庭への支援について
1.学校に通えていない子どもと家庭への支援について
〇小坂
文部科学省が10月29日に公表した令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によれば、小・中学校における不登校児童・生徒の数は12年連続増加し、約35万4,000人と過去最多となった。前年からの増加幅はやや縮小したものの、依然として高い水準が続いている。本市の状況は、小学生は25名増え117名、中学生は5名増え145名。出現率はそれぞれ上昇し、1.86%と6.11%。サポートルームなどの参加が出席扱いとなることを考慮すると、この数字よりも多くの子どもたちが在籍する学級に通えていないのではないか。学校に通えていない子どもが年々増加しているこうした状況は、個々の不登校対応にとどまらず、誰もが安心して通える学校環境をどうつくるかという未然防止の視点が不可欠であることを示しているのではないか。こうした調査結果やこれまで聴かせていただいた保護者の方々の声、また日頃中学生と関わる中で、行き渋りや孤立、学校生活の負担感など、子どもが抱える小さなサインの段階で支えられる体制、そして多様な子どもが過ごしやすい学校づくりが求められていると考える。
(1)トライルームについて
資料1-1 11小坂議員_№1(1)_トライルーム登録者数
過去の資料によればトライルームの登録者数は令和2年度36名。昨年度55名、今年度は10月末時点で既に51名が登録しており、増加している学校に通えていない児童・生徒をトライルームが受け止め、支援していると理解。今年度のトライルームの運営状況と子どもたちの様子について、小学生の登録者数も含めて説明を。
○教育長
51名のうち小学生の登録者数は16名。トライルームでは、体を動かす時間「プレイタイム」や、工作や芸術に親しむ「アートタイム」に加えて、今年度の新しい取組として、理科教育に専門性の高い指導員が講師となって手作り望遠鏡の製作などを行う「サイエンスタイム」を行っている。トライルームを利用している子どもたちは指導員と相談しながら学習や読書に取り組んだり、サイエンスタイムなどに参加したりするなど、自分の興味、関心を大切にしながら学びを進めている。
○(小坂) 令和3年度の小学生の登録は3名だった。プレイタイムなど自習以外の時間も様々設けられるようになり、小学生も通いやすくなったのではと考える。本年度はトライルームひかりでのスペース拡充、また夏季の空調不具合への対応で公民館などでの実施、さらにトライルームほんだでは金曜午前中の拡充なども進めていただいた。引き続き子どもたちの興味、関心を大切に、学びの支援を求める。
さて、トライルーム連絡会の開催回数、具体的な内容、そして効果について伺う。
○教育長
トライルーム連絡会はトライルームの指導員と、トライルームに児童・生徒が通室している担任教員や不登校対応担当教員等が一堂に会し、トライルームの運営方針や子どもたちのトライルームでの様子などについて共有を図るとともに進路相談の仕方、また定期考査や学力調査の受け方など、利用する子どもたちへの配慮事項について話し合い、学校とトライルームとの連携を強化する内容となっており、年1回開催している。。参加した教員からは「子どもたちのトライルームでの日常の様子を知り、学校で見せる様子との違いに驚いた」「今後の支援を考える参考になった」などの感想があり、指導員と教員が連携することによるよさを感じているところ。また、本連絡会のほかに生活指導主任会や不登校担当連絡協議会などを通して学級担任や不登校対応担当教員が指導員と定期的に連絡を取り合いながら、登録している児童・生徒の状況について適宜情報交換を行うなど、学校とトライルームが連携して子どもたちの学びを支援している。
○(小坂) 教員がトライルームの運営方針を理解したり、指導員と情報共有することで、日頃の子どもたちの支援にも生かしていただけるのではないか。こうした連絡会の開催は非常に意義深いと考える。ほかの会もあるとのことだが、年に1回の開催で十分であるのか、学校やトライルーム指導員の方の意見を伺い、今後開催回数の検討を求める。
今年度、新しくなったトライルームのリーフレットを拝見した。以前の案内に書かれていた「通室は自校の標準服または準ずる服装で」「ルールや約束事などは基本的に学校の生活と同じと考えて行動を」という表現が削除されていることを確認。本市の中で数少ない学校外での学びの場であるトライルームは、もっと子どもの目線でルールを考える必要があるのではないかとの提案をしていた。引き続き、子どもたちが必要とする学びの場とつながりやすい制度の工夫を求める。
(2)サポート教室について
資料1-2
11小坂議員_№1(2)_令和7年度かがやき
本市のサポート教室は中学校で平成29年度から、小学校では令和元年度から全校に設置され、学校内での教室以外の学びの場として定着してきた。サポート教室は、不登校に至る前の段階から子どものベースに合わせた学習や関係づくりの場として重要な役割を果たしていると認識している。今年度、特色ある取組が見られた学校の具体例を。また、好事例はぜひほかの学校でも取り入れていただきたいが、どのように全校で共有しているのか。
○教育長
各学校では学習支援のほかに、教室に入りにくい児童・生徒の居場所の一つとして、サポート教室などの名称で校内教育支援センターを設けている。ある小学校ではサポート教室を毎日登校時刻から下校時刻まで開設し、学習支援だけでなく、子どもたちが誰でも利用でき、自由におしゃべりや読書などができる「心の充電場所」として利用できるようにしているところもある。また、ある中学校ではサポート教室内のレイアウトを工夫し、個別の学習スペースを確保しつつ、ソファーなどを置いてリラックスできる居場所となる環境を整え、生徒一人一人が安心して過ごせるような変更をした学校もある。こうした取組については、市主催の全校の担当教員が集う「教育相談」「特別支援教育に関する研修会」等で共有を図っている。
○(小坂) 学習支援だけではなく、心の充電場所としての利用も進んでいるとのこと、非常に大切な取組であると評価。子ども若者・子育ていきいき計画の 49ページでも、中学生から「サポート教室を増やしてほしい」という声が寄せられていた。こうした子どものニーズに応えるためには、教室の場所の確保と支援員の継続的配置が欠かせない。サポート教室支援員の拡充は以前報告いただいたが、今後も安定した配置ができるよう、学校への支援を求める。
また、先月の教育委員会で報告された児童・生徒数等の推計によれば、今年度と比べ令和12年度には中学生は約370人増加、学級数も66学級から86学級へ20学級増となる見込みという報告があった。普通教室だけではなく、サポート教室の確保についても今からしっかりと検討を求めたい。
(3)不登校児童・生徒の保護者の集いについて
不登校支援において、保護者の孤立を防ぎ、安心して相談できる場を確保することは欠かせないと考える。その意味で、保護者の集いは重要な保護者支援の一つであると認識。まず、9月に開催された保護者の集いについて、周知方法、参加者数、そして当日の内容について伺う。
○教育長
不登校児童・生徒の保護者の集いについては、各学校において現在不登校または不登校傾向の児童・生徒の保護者の方にチラシをメール配信や、面談時などに手渡しで配っている。今年度の参加者は4名。集いの趣旨は、多くの参加者で不登校対応について話し合うというものではなく、個々の悩みに寄り添い、これからの支援について具体的に考えていくというもの。当日の内容は、子どもの支援方法や悩み、相談したいことなどを参加者同士で意見交換し、それらについて、心理学を専門とする学識経験者から助言をいただいた。
○(小坂) 昨年も同様の内容だったと、参加された保護者の方から伺った。以前より周知方法や開催回数、時期については議会からも改善を求める声があり、研究していくという答弁だった。その後どのような検討を進めてきたのか、現時点での整理や今後の方向性について問う。
○教育長
不登校児童・生徒数の増加や、参加者アンケートなどを踏まえ、年1回開催していたものを、昨年度から、例年不登校傾向の児童・生徒が増加傾向となる長期休業日明けの2学期初めの時期と、進級や卒業について考える12月の年2回開催している。また、内容については、子どもたちの社会的自立などに向けた支援について、保護者と情報共有するもの。今後も保護者等のニーズを踏まえながら実施方法を検討していきたい。
○(小坂)2回目はあさって、ひかりプラザで開催される。「本当に悩んでいる保護者だけ参加してもらいたい」という声が、以前当事者の方から寄せられたということは理解しているが、その頃と現在では不登校児童・生徒数は大きく変化し、状況が変わっている。不登校にカウントされていなくても、生きづらさを抱えている子どもや悩んでいる保護者は多くいる。先ほど保護者のニーズを踏まえ実施方法を検討するといった答弁があったが、悩んでいる、つながりたいと思っている保護者がどのような内容だったら、どのような案内文だったら参加しやすいと感じるのか、締切りは果たして必要なのか、日時は来やすい設定なのか、チラシのデザインはどうかなど、周知の仕方も含め心に届く工夫を、ぜひこれからもお願いしたい。
(4)不登校支援ラボについて
日本財団と認定特定非営利活動法人カタリバは、支援から取り残されている不登校児の数を減少させることを目的に、不登校の子どもを学び・支援につなげる新たな実証事業、不登校政策ラボをスタートさせた。本市は、青森県三沢市、広島県三次市、鹿児島県大崎町と共に連携協定を締結、カタリバがこれまでの不登校支援の知見を生かし、令和9年度末まで伴走支援を行うとされている。本市では、庁内でどのような議論や整理を経て応募に至ったのか。また、応募要件にある目指す姿に向け、施策の推進についての自治体内での合意、すなわち市長部局との協議や今後の連携の在り方も含めて説明を。
○教育長
これまで本市の不登校の出現率については、国や都と比較すると低い数値を示しているが、いまだ増加傾向にある。これを踏まえ、今後さらに不登校支援対応の継続や充実を図っていくことが必要であると考えたところ、認定NPO法人カタリバ及び公益財団法人日本財団の両団体から本事業の募集があった。また、ちょうどその頃丸山市長が就任され、不登校対策の重要性について語られ、トライルームの増設やサポート教室の充実、フリースクールとの連携強化などについての考えがあるということをお聞きした。本事業では、両団体が提案する支援の方向性と本市の「TSU-NA-GUプラン」の目指す姿が合致しているというところから、教育委員会として応募することを決めた。本連携協定については教育委員会が締結したので、まずは教育のフィールドでの支援を充実させることを目的とし、今後、市長部局との連携についても研究の中に含めていきたいと考えている。
○(小坂) 学校外の学びの場づくりや居場所においては、子ども家庭部などとの連携が非常に重要だと考える。また、福祉や医療との連携も考慮し、ぜひ全庁的な取組を要望する。次に、現在の進捗状況及び今後の取組について説明を。
○教育長
10月に協定を締結したばかりで、ようやく2か月ほど経ったところ。この間、カタリバと教育委員会事務局職員が学校やトライルーム、様々な場を巡回し、その取組状況や実態把握に努めているところ。今後フリースクールとの連携の強化や教育支援センターの機能強化などを推進するために両団体の豊富な経験、そして先進的な知見を借りながら、子どもたち一人一人が自分らしく学び、成長できる環境の整備など不登校政策の研究を進めていきたいと考えている。
○(小坂)首都圏では本市のみが選定されたことから、市内の保護者だけではなく他の自治体からの注目も高まっている。今後の取組や報告に期待したい。
(5)子どもの行きづらさの未然防止について
現在、不登校支援の施策は特別支援教育基本計画の中にも含まれているが、不登校は背景もニーズも多様で、不登校に特化した支援計画を市として改めて整理することが必要なのではないかと考える。調布市では不登校児童・生徒への支援プランを、八王子市では市立小・中学校・義務教育学校における不登校総合対策として文書化し、PDFで公表している。今後、市として、未然防止も含め不登校支援の方針やビジョンを明確にし、広く市民と共有できる形で計画をつくっていくことが大切なのではないかと考える。教育長の見解を伺う。
○教育長
不登校対応の計画については、市ホームページに公開されている第3次国分寺市教育ビジョンに「学びの多様化への対応」を主要施策に位置づけ、目標指標を設定しており、こちらに基づき取組を推進している。その内容には、当然未然防止に関する内容も含まれる。また、児童・生徒を支援するためのガイドブック「不登校への適切な対応に向けて」に位置づけ掲載し、各学校における不登校対策の取組の一層の充実を図っているところ。また、現在、認定NPO法人カタリバ及び公益財団法人日本財団の伴走支援を受けながら、このガイドブックの改訂作業も進めている。準備が整い次第、市のホームページ等への掲載を行い、広く市民の方にも周知していきたいと考える。
○(小坂)本市でも学校に通えていない子どもの数は増加が止まらない。子どもたちは自らの体を張って、現在の学校や教育に対して声なき声を上げている状態であると私は理解している。また、現在何とか学校に行けている子どもたちの行ききづらさに早期に気づくことは、今後の不登校児童・生徒の増加を防ぐ上でも極めて重要だと考える。学校の雰囲気、教室の安心感、相談のしやすさ、学びの柔軟性、これらは日々の学校づくりそのものに関わる。在籍級に通えない子どもをこれ以上増やさないためにも、子どもたちの声を聴き、丁寧に受け止め、通いやすい学校づくりに反映していくことが求められていると考えるが、教育長としての考えを未然防止の観点から伺う。
○教育長
教育委員会においては、国分寺市に学ぶ全ての子どもたちとその保護者の皆様が安心して学校に通えるということとともに、社会的自立を目指せるということを目標に進めているところ。そのために子どもたち一人一人が尊重され、支援が必要な方は包括的な重層的な支援を受けられるように、そういう体制を整えていかなくてはならないと考えている。不登校の児童・生徒を増やさない取組だけではなくて、学校に行きづらい状況であっても子どもたち一人一人が自分自身に合った学びを選択し、社会的自立に向けて豊かに成長できるように、今後とも関係機関と連携しながら多様な支援を整えながら、全ての子どもたちが輝く教育の実現に向けて取り組んでいきたい。

