小坂まさ代2024年第2回定例会一般質問 ~③新庁舎移転後のひかりプラザ4階・5階の利活用について~

3.新庁舎移転後のひかりプラザ4階・5階の利活用について
1)トライルームについて

ひかりプラザは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第30条の規定に基づく教育の振興及び充実、並びに市民の生活文化の向上を図るための施設である。その事業は国分寺市立教育センター条例によって定められている。現在、1階に社会教育課、2階に人権平和課、4階に教育総務課と学務課、5階に学校指導課の執務室があるが、新庁舎に執務室が移転後、ひかりプラザの利活用について伺う。現在決まっていることについて確認させてほしい。
○公共施設マネジメント担当部長
庁舎移転後にひかりプラザの空きスペースとなる執務室の利活用については、設立当初の成り立ち、また新庁舎移転後もひかりプラザに残る教育センター機能や男女平等推進センター機能の今後の在り方も鑑みながら、現在、関係課と協議、検討を行っている。
小坂
しかるべきタイミングで委員会に報告を。
トライルームについて。今年の予算特別委員会でトライルームの拡充について、市長が言及。本市において不登校児童・生徒数は増えているが、トライルームの登録者数はさほど伸びてはいない。実際にどの部分をトライルームとしてどのように使うのか、現在の検討状況について伺う。
○教育長
先ほど担当からも話があったように、トライルームを使用する部屋、使用方法についても現段階では決まっていない状況。今後検討を進めていく。
小坂
トライルームを拡充するのであれば、学習スペースだけではなく、リラックスできるリビングルームのような空間の検討を。まずは一歩自宅から出たい、行ってみたいと心が動くような場所のデザインを工夫してほしい。これは、令和4年第4回定例会の一般質問で学校に行けない子どもたちが行きたい、行ってみたいと思える場所の必要性について質問し、行きたくなるような空間づくりの提案をした。「他の自治体のよいところを参考に改善に努める」との答弁だったが、その後改善された点、また現在検討している点はあるか。
○教育長
改善した点については、教育書に限らず、子どもたちが興味関心を持つような蔵書について拡充を図った。図書コーナーを充実させ、イラストや紹介文を添えたりした。子どもたちが学習活動の間に興味を持って蔵書を手に取ったり楽しそうに本を読んでいる様子を私も見たことがある。また、希望があれば貸出しも行っている。そのほかについても少しずつ充実を図っているところだが、今後も子どもたちの学習環境の整備はどのようなものがいいかということを検討しながら、改善に努めていきたいと思っている
小坂
学びというのは机の上だけでするものではなく、心が緩んでいるからこそ理解が深まることもあるのではないか。引き続きの検討を。

2)中・高生や若者の居場所としてユースセンターの設置を。
ユースセンターとは、学校でも家でもない、ユース世代、主に中・高生のための第3の居場所。多摩地域では調布青少年ステーションCAPS、武蔵野プレイス青少年フロアなどがあります。立川市では、2022年に18時から21時に開館する夜のユースセンターを始めた。東京都では、青少年期から成人期への移行の困難さの克服を目指し、全ての青少年が将来の社会の担い手として成長するための育成支援方策の考え方を示した第11期東京都生涯学習審議会建議が2021年9月に出された。今後の青少年教育は、全ての青少年を対象に「多様な人と出会い、関わる機会がある」「学校外のコミュニティが用意されている」「ありのままの自分を受け止めてくれる」「ナナメの関係がある」「主体的な社会参加・参画の場がある」などのユニバーサルアプローチを重視した活動に重点を置く必要があると提言されている。今回できる空きスペースに、ぜひ中・高生や若者の生活文化向上のための居場所となるような空間を、自己肯定感を育みながら社会に出ていけるような場所が検討できないか。

○公共施設マネジメント担当部長
庁舎移転後のひかりプラザの空きスペースの利活用については、先ほど述べたとおり新庁舎移転後もひかりプラザに残る教育センター等の既存の機能を踏まえて検討を行っているという状況。
小坂
文部科学省の不登校対策(COCOLOプラン)でも多様な学びの場や居場所の確保がうたわれている。ひかりプラザに限らず、中・高生や若者の居場所について、市としての考えを問う。
○子ども家庭部長
子どもの居場所の大切さは認識している。令和4年1月に新たに開始しているプレイステーションの夕暮れカフェについて、現在、中・高生の居場所として認識されてきているところ。子ども施策として子どもの居場所は大切であると考えており、まず、今ある施設の活用を考えていきたい。
小坂
市職員、またスタッフの方々の力でプレイステーションの夕暮れカフェが中・高生の重要な居場所となっていることは理解し、高く評価。しかし、自宅や学校から遠いことや雰囲気になじめないなど、気軽には行けない子どもも多くいると感じている。プレステ以外の居場所と受け止めてくれる大人がまだまだ必要。
こども家庭庁のこどもの居場所づくりに関する指針には「、居場所というのは、こども・若者が過ごす場所、時間、人との関係性全てがこども・若者にとっての居場所となり得る」とある。さらに、2022年7月に公開された内閣府の子供・若者インデックスボードという資料では、こどもたちの居場所が増えれば増えるほどウェルビーイングや自己肯定感、将来の希望が向上するというデータも出ている。私は以前に都内のティーンズ向けの児童館で数年間働いていたことがある。思春期の子どもたちの居心地のよさを考えたインテリアで、自由に使えるパソコンやキッチン、卓球台やビリヤード台、ボードゲーム、漫画やティーンズ向けの本が置いてあり、小学生から大学生相当の年齢まで、1人でも友人とでも安心して過ごすことができる施設。現在の1か月の来館者数は延べ約1,000人と聞いている。私が勤めていた当時、放課後も夏休みも毎日のように来館し、ずっと絵を描いたり、段ボールで工作したりしている小学生がいた。先日、高校生になった彼の声を聴く機会があったのだが、当時を振り返って、「ここがなかったら、冗談じゃなくって死んでいたかもしれない」と話しているのを耳にし、衝撃を受けた。家庭でも学校でもつらい状況が続き、その児童館でスタッフが話を聞いてくれたり、一緒に遊んでくれたり、心行くまでやりたいことをやらせてもらえたことで救われていたのだと思う。学校でのトラブルを抱えていたとき、違う学校の友達ができたことも大きかったのではないか。居場所があることで救える命がある。令和4年の小・中・高生の自殺者数は過去最多の514人。不登校の児童・生徒やこども・若者の自殺者数の増加に見られるように、家庭環境や教育環境に苦しんでいる子どもたちがいる現実があり、自分が否定されず大切にされ、そのままでいられる無料の居場所が、優しく受け止めてくれる大人や同世代との出会いが生きる力となり、ひいてはそうした場があるこのまちで生きていてよかったと思えるのではないのか。本市の子ども・若者の意見聴取実施報告書の中にも、居場所に関する数多くの声がヒアリングされている。ぜひこの声を生かしていただきたい。

東京都では、生活文化スポーツ局の子供・若者自立等支援体制整備事業や、福祉局の地域こどもの生活支援強化事業、子供の居場所創設事業、また国の補助事業としてもこどもの居場所づくり支援体制強化事業におけるNPO等との連携したこどもの居場所づくり支援モデル事業など、国や東京都も子どもの居場所づくりに多くの予算をつけている。ぜひ活用し、中・高生や若者の居場所の検討を。