小坂まさ代2024年第3回定例会一般質問 1.子どもたちに豊かな放課後を~放課後子どもプランについて
(6)放課後子どもプランについて。
○小坂
2年前、令和4年第3回定例会でも放課後子どもプラン事業について質問をした。地域の特性に合わせて、市民との協働で進めてきた本市の放課後子どもプラン事業について、保護者の負担を軽減し、市による支援の拡充と持続可能な形を模索していくべきではないかと考え、見解を伺った。その際、「各実施委員会から同様の相談がある。PTAの在り方など、時代の流れの中で状況は変化しており、実施委員会の体制の確保など難しい状況にあることは確認をしている。子どもたちが地域社会の中で心豊かに成長していくためにも、放課後子どもプランの役割は重要であると考え、実施委員会や学校関係者等との連携を密に行い、状況把握と課題解決に取り組むとともに、保護者を中心に置きつつ、地域で活動する方の活用など、円滑で効率的な事業実施について知恵を絞っていきたい」という答弁だった。それから2年。現在の課題解決の状況について問う。まず、プラン室の現状について伺う。
○教育部長
放課後子どもプラン室については、市の東西にそれぞれ拠点として1か所ずつ設置をしている。それぞれに時間額会計年度任用職員を配置するとともに、社会教育課に配属の月額会計年度任用職員が、それぞれのプラン室を巡回して運営を行っている。今年度から第二小学校に代わり第八小学校にプラン室を設置しており、東の拠点を第一小学校、西の拠点を第八小学校として実施している。プラン室で行った工作やイベントの情報については、全校の委員が参加される実施委員会や、同じくコーディネーター会議において共有を図っている。第八小学校では、プラン室で使用予定の部屋が1学期中は使用できなかったため、暫定的に特別教室を利用した。1学期中の利用状況は、第一小学校が1,127人、第八小学校が1,092名。
○(小坂)
令和5年度の事務報告書によれば、校庭の遊びの場の回数が最も多かった学校は168回、最少は78回、室内の学びの場は、プラン室のある一小175回、二小167回、そのほかの学校は50回台が2校あるものの、11回以下の学校が6校、中にはゼロ回の学校もあった。同じ市内の小学校で、これだけの大きな格差が長らく続いている。
7月に第八小学校のプラン室を視察した。十数名の子どもたちに対し、3名の会計年度の方たちがつき、楽しくカードスタンドの工作の体験が行われていた。第一小学校と第八小学校、東西の地区の拠点としてプラン室を設置しているとのことだが、実際にはプラン室のある、児童数の比較的少ない学校での活動に会計年度の方はとどまっており、プラン室があり、会計年度任用職員の方がいる学校とそうでない学校との間の開催日数や内容の格差は広がっている。開催日数を増やすためには、コーディネーターや実施委員、協働活動サポーターの安定的な配置が不可欠だと考える。
現在の各校のサポーター登録数、コーディネーター数について問う。
○教育部長
協働活動サポーターは、多い学校で34人、少ない学校では12名。また、コーディネーターは、多い学校で12名、少ない学校では1名。
○(小坂)
別途、実施委員のいる学校もあるが、PTA改革を経て、コーディネーターとサポーターだけで運営している学校もある。これだけの事業をたった12人のサポーターで行っている学校があること、また、一人のコーディネーターで回している学校がある。かなりの負担を背負って活動しているのではないか。コーディネーターも実施委員もサポーターも、そのほとんどが小学生の保護者の方々。家事や育児、仕事をしながら、この事業を担ってくださっているが、御家族や御自身の健康状態、パートナーの転勤、親の介護など、様々な御家庭の事情がいつ変わるとも分からない。就労している保護者が多い現状で、この体制はもはや限界に来ているのではないか。この点は数年前より指摘している。実施委員会に開催日を増やすことをお願いするばかりで、コーディネーターやサポーターを増やすことができないまま時間が経過し、その数は減り続けている。他市のホームページを見ると、市が全校のサポーターを募集しているところも多数見受けられた。以前にも要望したが、社会教育課、コーディネーターや委員会関係者、学校関係者や有識者を交えた協議の場を設けるなど、持続可能な運営の仕組みについて、スピード感を持って考えるべき。現在の検討状況について伺う。
○教育部長
本市の学童保育所の指定管理者の中には、ほかの自治体において放課後子どもプランを実施している事業者がある。その実施状況についてヒアリングをしている。また、今後、現場視察をし、持続可能な運営の仕組みについて検討を進めていきたい。
○小坂
市だけで検討するのではなく、市民と、特に現在まで長きにわたり、このプランを支えている方々と意見交換を丁寧にしながら進めるよう要望する。
豪雨や猛暑で校庭開放が中止になることも多く、居場所として安定した開催をするためには、室内の場所の確保が不可欠。図工室など特別教室をプラン室として全校で使えるよう、校長会などでの学校の理解促進も引き続き求める。これまでの放課後対策は組織の壁に阻まれ、対処療法的に続いていってしまったようにも見える。子どもたちの放課後という大きな視点から、どうしたら子どもたちが豊かな放課後を過ごせるのか、部署を超えて考えるべきときなのではないか。学童保育所の狭隘状況の解消や小4の壁への保護者の不安の解消を考えたとき、放課後子どもプラン事業の拡充や、国の進める学童保育との一体化の検討が必要だと考える。子どもプランの新しい形について、ようやく研究も始められているとのこと、今後この事業の改善を推進していくために、機構改革も含めた検討を求め、この質問の最後に、子どもたちの声を届けたい。今回、一般質問をするに当たり、オンラインアンケートで8歳から15歳まで28名が声を寄せてくれた。放課後どこで過ごしていますかという問いに、複数回答ですが、自分や友人の家19名、塾や習い事14名、公園やプレイステーション8名、学童保育2名、放課後子どもプラン4名、児童館3名、放課後等デイサービス2名、
放課後支援に何日遊んでいますかという問いに対し、ほとんど遊べない7名、1日だけ3名、二、三日9名、4日以上9名、放課後はもっと何をしたいですか、遊びたい19名、何もしないでゆっくりしたい5名、勉強したい1名、運動したい1名、こんな放課後だったらいいな、あなたの気持ちを教えてください。
涼しいところで過ごしたい、好きなように過ごしたい、家でただのんびりしたい、家で集中して勉強したい、今が満足、友達と遊びたい、サッカーやスケボーで遊べる場所があったらうれしい、みんなで楽しく遊びたい、楽しいだけでいい、自由でいたい、子どもたちの望む放課後と現実に大きな乖離が見られる。放課後の時間は子どもたちにとって遊びを通して社会で生きる力を育む大切な時間のはず。好きなことに夢中になれる時間、時間を忘れて一緒に遊ぶ仲間、私が子どもの頃には身近にあったものが社会の変化とともに今ではこんなにも少なくなってしまった。子どもたちの健やかな成長のために必要な遊ぶ権利や休む権利を私たち大人が理解し、守っていかなければならないと考える。