小坂まさ代2025年第3回定例会一般質問~1.国分寺市立小・中学校の標準時間について
1、国分寺市立小・中学校の標準時数について
〇小坂
標準時数とは、学習指導要領や学校教育施行規則に基づき国が基準として定めている授業時間数。小学校は1コマ45分換算で、小学4年生から6年生は各1,015コマ、中学校は50分1コマで同じく1,015コマと定められている。。標準授業時数の変遷について長く調査研究を行っている東京学芸大学の大森直樹教授は、2023年、延べ2,445人の公立小・中学校教員を対象に調査を行い、過去の学習指導要領下での標準時数と現状を比較し、児童・生徒や教員の負担の実態や影響を分析している。その研究によると、現在の標準時数では、児童・生徒や教員の負担が大きくなっていることが示されており、不登校や教員の病気休職の増加との関連も指摘をされている。
まず、本市の状況について伺う。
〇教育長
年間の授業時数については、学校教育法施行規則で定められている標準総授業時数に基づき、各学校において校長の責任の下、設定をしている。
また、本市においては、国の通知を踏まえ、1,086時間を上回る授業時数を計画している場合には、学校の実態を踏まえて、再度精査するよう指導してきた。各学校では、児童・生徒の学習状況の実態に応じて、指導内容の確実な定着を図るために必要な授業時数を設定している。資料は、市立小・中学校の小学校第6学年と中学校第3学年の令和3年度から令和7年度の授業時数の一覧。また、下段は振替のない土曜授業の日数。振替のない土曜授業の日数も、保護者や地域の方々に授業を公開するという観点から、各学校で設定している。
〇小坂
小・中学校の授業時間数も、土曜日の授業も、標準時数に基づき各学校が決めているとのこと。資料からは、令和5年度までは学校によってかなりばらつきがあり、多い学校と少ない学校の時数差が53時数もあったことが分かる。ここ2年間は文科省の指導も入り時数が減っていることが明らかになった。
国の中央教育審議会、こちら平成31年の1月25日の答申だが、教育課程の編成に際して、年度当初に若干の余裕を持たせることは通常であるが、児童・生徒の負担や学習意欲の低下に十分留意をすべきと指摘し、また、災害や流行性疾患により標準授業時数を下回っても法令違反ではないと示している。さらに文科省は、昨年12月15日付事務連絡で、学級閉鎖等への備えのみを理由にして、標準時間時数を上回る教育課程を編成する必要はないと明記。これらを踏まえ、全国で見直しが進んでいる。
埼玉県深谷市では年間授業時数を必要最低限に抑えるということを方針とし、週28時間単位時間以下の教育課程を教育委員会主導で実施、校長のみならず、幅広い教職員の声を聴取し、保護者、地域にも丁寧に発信した結果、教職員、児童の負担軽減に成果を上げている。
町田市では標準時数超過をおおむね10時間以内に抑える指導を行い、また八王子市では、標準プラス18単位時間を上限とする方針により、週27時間から28単位時間の編成を実現したとのこと。現在、2030年度導入を目標として、次期学習指導要領について議論がされる中で、標準時数についても検討が始まっているが、町田市や八王子市のような先行事例を参考に、現行規定の範囲内でも見直しと改善の余地があるのではないか。
そこで、国分寺市でも、国の通知や中教審答申、他市の先行事例を参考に、現場の声を聞きながら、標準時数を大きく上回らない教育課程への見直しを検討し、子どもたちの豊かな学びと教員の働き方改革両立を積極的に進めるべきと考えるが見解を伺う。
〇教育長
子どもたちの豊かな学びと教員の働き方改革を両立する取組は極めて重要。本市においても、教育課程の届出上の時数として、今回、表として示させていただいた。これに基づいて実施をしており、大幅な超過はないと認識している。
現在、文部科学省では、新しい学習指導要領に向けて様々な議論が進められており、標準時数についても、その論点の一つとなっている。今後、様々な情報収集をしながら、各学校と共に研究を深めていきたい。また、併せて教育委員会としては、引き続き教務主任会等々で、しっかりと教育課程の編成について適切に指導していきたい。
〇小坂
学校と児童・生徒双方の負担軽減を念頭に研究を進めていただくことを要望する。

