小坂まさ代2025年第4回定例会一般質問~2.子どもが思いを伝えられる環境づくりを

2.子どもが思いを伝えられる環境づくりを

⑴乳幼児の保護者への啓発について
本市の子ども若者・子育ていきいき計画では子どもや若者の権利を保障し、自分らしく成長できるよう支援することが掲げられている。とりわけ乳幼児期は言葉による表現が十分でない一方で、表情やしぐさ、声の出し方など様々な態度を通して思いや欲求を示す重要な時期です。大人がこうしたサインを丁寧に受け止め、応答することは親子の信頼関係や愛着形成を支える基盤となり、情緒や社会性の発達に大きな影響を与えるとされている。言語表現が未熟な乳幼児に対しても、その行動や態度から思いを読み取り、尊重していくための環境整備について、市としてその重要性をどのように認識しているか。また、保護者が乳幼児のサインに気づき、思いを受け止められるよう、親子の関係性や愛着形成に関する啓発支援をどのように実施しているのか伺う。

○子ども家庭部長
乳幼児の子どもの反応を親が酌み取り、声かけやスキンシップでコミュニケーションを取ることは、親子の愛着形成や子どもの発育発達に非常に重要と考える。市の両親学級では、おなかにいるときを含めて子どもへの声かけの効果や、育児の話などを通じて親子関係の形成についても伝えている。親子ひろば事業ではベビーマッサージや親子体操、リトミック、絵本の読み聞かせなど、子どもとの触れ合いを通じて子どものサインや思いに親が気づき、コミュニケーションできるよう支援している。

○(小坂)乳幼児期の安定した愛着形成は情緒や社会性の基盤となる重要な時期であることは先ほども申し上げたが、国のこども大綱でもその意義が明記されている。言葉に先立つコミュニケーションとしてベビーサインなどの手法もある。今後も研究を進め、よりよい支援につなげていただきたい。

(2)児童館やプレイステーションなどでの取組について
子どもの思いを丁寧に受け止める環境づくりは、乳幼児期に限らず成長過程全体で求められるものである。児童館やプレイステーションは年齢の異なる子どもたちが日常的に集い、遊びを通して自分の興味や気持ちを自然に表現できる場であり、また、職員の方やプレイリーダーが子ども一人一人の様子を丁寧に見取り、思いを受け止めている重要な拠点であると認識している。子どもが安心して言える、分かってもらえると感じられる環境を整えることは、意見表明権の保障という観点からも欠かせない。市では子どもの思いや声を酌み取り、尊重するためにどのような関わりや支援を行っているのか、大切にしている点について確認したい。

○子ども家庭部長
児童館やプレイステーションでは子どもの声を聴く仕組みとして、施設の中でノートやポストを設置し、子どもが意見を述べやすい環境を整えている。また、児童館では子どもによる利用者協議会を開催しているほか、行事の企画に際しては子どもからの意見を募るなど、子どもの声を取り入れた運営を行っている。そのほかにも、日々の見守りの中で普段とは違う子どもの様子に気がついた際には職員から声をかけ話を聞くなど、子どもの声に耳を傾け、子どもの声に寄り添う児童館運営を心がけている。

○(小坂)先月、プレイリーダー講習会に参加いたした。座学ではなく、プレイステーションで子どもになり切って 3時間半遊び、その後、行動の背景にある見えない気持ちや願いを振り返り、共有するワークショップだった。子どもの心の動きを理解し、共感する視点を育む貴重な機会であり、このような講習会の重要性を強く感じた。
さて、プレイステーションや児童館には多様な背景を持つ子どもたちが遊びに来ているが、全ての子どもたちが安心して利用できるよう、職員に対する研修やスキルアップの取組はあるか。

○子ども家庭部長
スキルアップの取組として遊びの研修、子どもの人権に関する研修、支援の必要な子どもに対する接し方の研修など、健全育成に寄与する様々な研修を実施することで職員の資質向上に努め、子どもたちが自分らしく伸び伸び過ごせることのできる環境づくりに努めている。

(3)小・中学校での取組について
○(小坂)子どもの思いを受け止め、その表現を尊重する姿勢は、成長とともに生活の中心が学校へ移る中でも同様に求められるものだ。とりわけ学校は子どもが1日の大半を過ごす場であり、自分の考えや気持ちを安心して表現できる環境づくりは、子どもの権利保障の観点からも極めて重要だと考える。本市では第3次国分寺市教育ビジョンにおいて「すべての子どもたちを大切にする教育を進めます」と掲げているが、児童・生徒が自分の思いや意見を安心して表現できるようにするため、どのような取組が行われているのか。

○教育長
児童・生徒が自分の思いや意見を安心して表現できるようにするために、各学校では文部科学省の生徒指導提要に示された4つの視点「、自己存在感の感受」「共感的な人間関係の育成」「自己決定の場の提供」「安全・安心な風土の醸成」を中心としながら、一人一人の発言を大切にする学級風土の醸成に努めている。例えばペアによる対話やグループ討議など段階的に発言しやすい場を設定するほか、ICTを活用した多様な表現方法も実践。また、学級会活動において互いの立場を尊重し、理解し合いながら話し合う活動を実施している。学校行事では実行委員会を設置いたしまして、児童・生徒が目標設定や運営方法について意見を出し合う機会を設けている学校もある。

(4)子どもがルールづくりに参加する「ルールメイキング」について
近年、認定NPO法人カタリバの「みんなのルールメイキング」など、生徒主体で校則や学校のルールを対話的に見直す取組が全国で広がっている。生徒が教員や保護者と話し合いながら納得のいくルールをつくる過程は、課題発見力や合意形成力、社会参画意識を育む学びの場となっている。実施校に対する調査では生徒の約6割が意見を述べる機会を実感し、教員の約9割以上が「生徒の意見を取り入れるべき」と回答。本市の教育目標、みずから学び、考え、行動する、個性と創造性豊かな市民の育成を具体化する上でも、このような生徒主体のルールづくりは有効と考えられるが、このようなルールメイキングの手法についてどのように評価しているのか、見解を伺う。

○教育長
学習指導要領においては、特別活動に集団や自己の生活、人間関係の課題を見いだし、解決するために話し合い、合意形成を図ったり、意思決定したりすることができるようにするということが示されており、ルールメイキングの手法や取組と重なる部分が多いと認識している。例えば学校生活上の問題を解決するために、また自主的な学校生活の充実と向上のために決まりやルールをつくる活動が考えられる。こうした活動は児童・生徒が学校のルールづくりに主体的に参画するもので、単にルールに従う市民を形成するのではなくて、共にルールをつくり、よりよい社会を形成していくことにつながるもので、大変重要な活動であると認識している。既に各校におきましては特別活動として様々な取組が展開されており、例えば生徒の意見から標準服や生活の決まりを見直したり、学校行事の運営に児童・生徒が主体的に参画したりする取組も工夫して実践している。ルールメイキングの取組についてはカタリバの実践ということで、今後、私どももカタリバから大いに学んでいきたい。

○(小坂) 大変重要な活動と認識されているということを確認した。ぜひ今後の取組、さらなる取組に期待したい。

(5)子どもオンブズマンについて
子どもを取り巻く環境は、毎年増え続けている自殺者数の増加にも表れているように、いじめ、不登校、虐待、貧困など課題が多様化・複雑化しており、かつてない厳しさを増している。子どもが安心して意見を述べ、助けを求められる独立した仕組みの整備が求められていると考える。

資料2-5
11小坂議員_№2(5)_多摩26市における子どもの権利養護のための第三者機関を設置している自治体名と通称名を含む機関名

多摩26市のうち、既に5市が子どもの権利擁護の第三者機関を設置していることが分かった。令和6年度の近隣市の活動報告書を調べてみたところ、電話、メール、来所、オンブズレターなど多様な手段を活用し、国立市では56件、小金井市は48件、武蔵野市では半年で62件の新規相談に対応していることが分かった。学校や児童館での出前相談や通信による権利周知も進められていた。こうした基礎自治体における独立した相談や権利擁護の仕組みは、学校や家庭など子どもにとって身近な環境で起こるいじめや虐待、差別的な扱いに対して子どもが安心して声を上げられる窓口を確保する上で不可欠であり、こども家庭庁もこうした仕組みの全国的な整備を推進している。本市でも、先行自治体の成果を踏まえ、子どもオンブズマンの設置や権利啓発活動の強化を検討すべきと考える。市の見解を伺う。

○子ども家庭部長
現在、市では子どもたちが人権について学ぶことや、子どもの声や意見を聴く取組を実施している。大人が子どもの意見を聴く姿勢を持ち、意見を言いやすい環境をつくることで、子どもが自分の意見を話してもいいと思う感情が醸成されると考えている。オンブズマンの設置については、現在検討していない。

○(小坂)子どもが声を上げやすくすることで行政や学校が現場の課題を早期に把握し、必要な支援につなげることが可能となる。その結果、重大な権利侵害の未然防止や事後対応の負担軽減につながることが期待される。子どもの権利擁護の仕組みについての検討を要望する。