小坂まさ代2025年第4回定例会一般質問~3.全ての世代の虐待に対する支援体制について

3.全ての世代の虐待に対する支援体制について
近年、虐待は年齢や属性を問わず、社会全体に広がる深刻な課題となっている。背景には、個々の家庭だけの問題ではなく、社会の中に蓄積した不安や孤立、鬱屈とした気持ちが弱い立場の人へ向かってしまう現実があると感じている。こうした状況を踏まえ、市として相談体制の現状と今後の方向性、そして虐待防止につながる取組について伺う。

(1)相談支援体制について
子どもの虐待を見聞きし、何とかしたいのだが、どうしたらよいのかという市民の方からの相談が、今年に入ってからこちらに複数の方から寄せられている。市民が虐待に気づいたとき、子どもの虐待に気づいたとき、また当事者がどこに相談すればよいのかをどのように周知しているか。

○子ども家庭部長
児童虐待の相談先の周知としては、市のホームページ等で周知を図っている。こども家庭センターでは日頃より、事案が発生した場合に学校、警察等の関係機関と連携して対応している。また、要保護児童対策地域協議会や関係機関との連絡会に参加することで情報共有を図っている。平日の夜間、休日の対応については児童相談所が行い、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」の周知も行っている。相談方法は電話や対面が基本となるが、ホームページの問合せの専用フォームからも受付をしている。

○(小坂)虐待は命に関わる危険もありますので、どこに連絡してよいか分からないということがなくなるよう、引き続き周知の工夫と寄り添った対応を求める。児童虐待による死亡は、特に生まれたばかりの赤ちゃん、ゼロ日、ゼロか月の乳児に最も多く見られる。このことからも、妊娠期からの支援の重要性は極めて高いと言える。妊娠期から出産後にかけて経済的、心理的、家庭的困難に直面する方を切れ目なく支えることが子どもの命を守るために不可欠で、こども家庭センターの役割は非常に重要だと考える。続いて、性別を問わず、DVの相談体制をどのように整えているのか伺う。

○市民生活部長
男女平等推進センターの相談窓口の一つとして、相談員を配置して女性を対象としましてDV等様々な相談を行っている。相談内容に応じ庁内部署と情報の共有、連携を図って、適切な支援につなげられるよう努めている。一方で、男性からの相談についても、正確な統計を取っているわけではないが、センターに入ることがある。そのような場合には、東京ウィメンズプラザ等で実施する男性相談窓口の案内をしている。

○(小坂) 東京ウィメンズプラザは、男女平等参画社会の実現を目指して東京都が設置した拠点。本市だけでは抱え切れない、応え切れない相談もある中で、こうした東京都との連携は支援の厚みを確保する上でも欠かせないものと考える。次に市と東京都の女性相談支援センターとの関わりについて伺う。

○福祉部長
都の女性相談支援センターとの関わりについては、相談の内容に応じて連携を図り、相談者の安全・安心した生活を確保し、自立に向けた支援を行っている。

○(小坂) 引き続き相談者に寄り添い、継続した支援をお願いする。DVに限らず支援を必要とする方々を守るためには、どの分野でも途切れない支援体制が重要だと考える。続いて、高齢者や障害者への対応について伺う。本人や家族の相談窓口、事業所との連絡、職員研修などについて、どのようになっているか。

○福祉部長
障害者虐待については、障害者虐待防止センターである障害福祉課、高齢者虐待については高齢福祉課、地域包括支援センターが窓口となっている。相談通報が入った場合は、障害者虐待防止ネットワーク、高齢者虐待防止ネットワーク実施要綱に基づき、速やかに事実の確認、緊急性の判断、対応方針を決定している。あわせて、関係機関、地域関係者との連携、支援を進めるために実務者、代表者とのネットワークを構築するための連絡会を、それぞれ年1回開催。障害福祉課、高齢福祉課において虐待の未然防止、早期発見対応等については、事業者を対象とした年1回の研修の開催、市民への虐待の防止に関わる普及啓発を行っている。

○(小坂) 虐待が起きてしまうと命に関わる場合もあり、その傷は深く、回復には長い時間がかかる。だからこそ起きた後の対応だけではなく、虐待を未然に防ぐ予防的な取組が大切であると考える。

(2)家庭内での虐待予防について
児童虐待の早期発見や支援策、また見えてきた課題について伺う。

○子ども家庭部長
市のこども家庭センターでは児童福祉と母子保健の両分野において、子育て世帯、子育て家庭への包括的支援を行い、児童虐待の早期発見と予防に努めている。
親子ひろば事業や産後ケア事業を通じて、孤立化の防止や不安の軽減、育児の負担感の軽減を図っている。また、母子保健事業の健診や相談等を通じて子育て家庭の状況を早期に把握し、子育ての困難さが予想される家庭と早期につながり、寄り添い、その困難さを軽減できるよう重点的な支援を行っている。また、虐待の予防対応については、核家族化や地域のつながりの希薄化、課題の複雑化など様々な課題がある中で、その業務は、家庭という非常にセンシティブなプライバシーに立ち入る困難さがある。専門性が求められるため、対応の中心となるこども家庭センターにおいては、職員の資質向上とともに地域、市民の理解・啓発に努めている。

○(小坂) 複雑で大変難しい業務に日夜当たっていただいている職員の皆様に感謝を申し上げる。続いて、高齢者や障害者について伺う。

○福祉部長
障害福祉課では通所、宿泊を伴う障害福祉サービス、日中一時支援事業、移動支援事業、高齢福祉課ではサービスの情報提供や調整、家族介護者交流会の開催、認知症の人を支える家族の会の紹介など、個別の事情に合わせた相談支援を行い、家族や介護者が孤立せずケア、介護に取り組めるよう支援している。

○(小坂) 海外の例になるが、フランスでは問題が顕在化する前に家庭を支える予防的支援が重視されているとのこと。在宅支援や相談支援を公的に提供することで、家庭崩壊といったリスクの深刻化を防ぎ、結果として社会的コストを大幅に抑えられるという考え方。本市においても、こうした早期支援の位置づけと社会的コスト削減の観点を踏まえた施策設計を今後検討していただきたい。

(3)施設内での虐待防止について

虐待は家庭の中だけではなく、様々な施設の中でも起こり得ること。利用者の命と尊厳を守るために、家庭と同様、施設内における虐待を未然に防ぐ仕組みづくりも欠かすことができない。まず、保育所での虐待防止策、巡回相談の仕組みなどについて伺う。

○子ども家庭部長

市では、基幹型保育所システム事業において各種の研修や心理相談員、市職員の巡回相談を行うとともに、不適切保育の未然防止に関する最新情報の提供などを行っている。また、地域共生推進課が実施する保育所等の指導検査の際に、人権擁護、虐待防止等のため必要な体制を整備しているか、虐待防止の取組について確認している。

○(小坂)高齢者や障害者についてはいかがか。

○福祉部長 障害者、高齢者ともに、施設の指定権者において、虐待防止委員会の定期的な開催と従業員の周知など、虐待防止の取組が求められている。地域共生推進課が実施する指導検査の際に確認している。虐待の疑いがある場合は事実確認調査を行い、虐待防止・身体拘束の研修実施、虐待防止委員会の実施、虐待防止マニュアルの作成などを確認し、適切に実施されていない場合は改善報告を求めている。

○(小坂) 今後も相談や支援が途切れない体制をさらに進めていただきたい。虐待はどの家庭にも起こり得る課題である。関係機関が早期に相談を受け止め、対応することは非常に重要だが、それと両輪で困ったときに「助けて」と言いやすく、支え合いを実感できる地域づくりを進めていく必要があると考える。