2022年度予算に反映~いままで市民とネットが求めてきた3つの施策~

予算委員会より

2022年度一般会計予算総額は、503億5,705万円となりました。コロナ禍にも関わらず、市税収入は前年度比9億290万円増の238億4,535万円を計上しています。これは、人口増により納税者が増えることが見込まれていることや、国からの支援策である給付金や協力金などが含まれています。社会的には、経済格差が広がり、生活に困窮している市民も増えてきています。実態を丁寧に把握し、暮らしを安定させるための適切な支援策を求めていきます。

また、2月24日にロシアによるウクライナへの侵攻が始まり、この影響から、物価は上がり、ガソリン、電気料金も高騰しました。先行き不透明な要素を多く抱えた状態ですが、12月には新庁舎建設が始まり、清掃センターの取り壊しとリサイクルセンター建設も予定されています。さらに、市役所跡地の整備など大きな事業が今後、続いていきます。社会情勢や経済動向を注視した適切な財政運営を要望していきます。

今年度実施される施策の中で、次の3項目は、長年、生活者ネットワークが求めてきたものです。

●地球温暖化防止行動計画(市域版)

市は2006年に「国分寺市地球温暖化防止行動計画(市役所版)」を策定し、市の事業における温室効果ガスの排出量削減に取り組んできました。しかし、それは公共事業に関するものだけなので、市民が日常生活の中で取り組む行動計画の必要性を提案してきました。ようやく、今年度、「市域版」を作成することが予算化されました。温暖化を止めるために、 どのように電気・ガス・石油などの使用量やごみ排出量を削減するか、エネルギーの地産地消をどう実現するか、市民参加で考えていきましょう。

●インクルーシブ公園

障害の有無にかかわらず、共に遊ぶことができる公園を求めてきましたが、都立武蔵国分寺公園に隣接する市の所有地(ポッポの森保育園跡地)に建設されることになりました。今年度は市民の意見を聞きながら基本計画と実施設計を行い、来年度の開園を目指していくということです。整備にあたっては、遊具があるだけではなく、地域の誰でもが参加できるコミュニティの拠点となるように進めることが重要です。アンケートや懇談会に加え、すべての人にとって居心地の良い場所としていくために、障害や多様性への理解が深まるような、子どもや保護者、さらには地域住民が集うワークショップを繰り返し行い、そのアイディアを取り入れた設計となるよう要望しています。

●ヤングケアラー

家事や家族の世話や介護、感情面でのサポートなどを日常的に行っている子どもたち「ヤングケアラー」については、生活者ネットワークが以前から取り組んできた問題です。市は今年度「相談支援体制の確立」に取り組むことになりました。早期にヤングケアラーを発見し、相談から一人ひとりに合う支援体制と人材育成が必要です。ヤングケアラーの家族構成や病状、障害の種類や重さ、何歳でヤングケアラーになったか、などにより、抱える問題が全く違います。その人の置かれた状況を理解し、ライフステージに応じた課題を整理しながら、ともに人生設計を考える伴走型の支援が重要です。突然ヤングケアラーになることもあり、学校での気づきを見逃さないよう要望しました。本人の状況や意向を丁寧に聞き取りながら、適切な支援をしていけるよう今後も引き続き求めていきます。         (小坂まさ代)

                           生活者ネットこくぶんじレポート№155より

インクルーシブな公園づくりの向け、
市内の公園を見て回りました(内藤さつき公園トイレ前)